2010年から2011年にかけて新潟県長岡市川口地域と北海道北見市において行った地域通貨ゲームのデータを公開します.
2010年12月3日に長岡市川口地域で行った地域通貨ゲームの様子
2011年3月28日に北海道北見市で行った地域通貨ゲームの様子
今回は,これに加えて2010年11月に上越教育大学で2回行った地域通貨ゲームの結果も併せて公開します.
ご関心のある方はこちらからどうぞ.地域通貨ゲームver1の設計と結果
2010年から2011年にかけて新潟県長岡市川口地域と北海道北見市において行った地域通貨ゲームのデータを公開します.
2010年12月3日に長岡市川口地域で行った地域通貨ゲームの様子
2011年3月28日に北海道北見市で行った地域通貨ゲームの様子
今回は,これに加えて2010年11月に上越教育大学で2回行った地域通貨ゲームの結果も併せて公開します.
ご関心のある方はこちらからどうぞ.地域通貨ゲームver1の設計と結果
11/24に新潟県自治会館において,新潟経済同友会と社団法人北陸建設弘済会主催の地域の明日を考える講演会「北陸の再生戦略を考える」が開催されました.
メインは読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏による「日本の明日のために,今地方でできることは何か」でしたが,その前に地域活動報告として「長岡市川口地区における地域通貨を用いた地域循環・交流モデル」について報告させていただきました.その時の資料を添付しますので,ご関心のある方はどうぞ.
地域活動報告「長岡市川口地区における地域通貨を用いた地域循環・交流モデル」
10/15に13:10から上越教育大学学校教育実践研究センター(上越市西城町1−7−2)において第26回上越教育大学社会科教育学会が開催されます.
本年度は研究報告に加えて現職派遣で本学大学院で学んだ修了生の方々を招いたシンポジウムを行う予定です.
プログラムはこちらからダウンロードください.
2011年11月24日(木)の13:30から新潟県自治会館「講堂」において,新潟経済同友会と北陸建設弘済会が主催する講演会「北陸の再生戦略を考える」が開催されます.
メインは読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏の講演「日本の明日のために,今地方でできることは何か」ですが,私もその前に「長岡市川口地区における地域通貨を用いた地域循環・交流モデル」というタイトルで地域活動報告をします.ご関心のある方はファックス(025−383−1233),電話(025−381−1054)あるいはメール(chiiki.asu@gmail.com)で参加申し込みください.申し込み・問い合わせは社団法人北陸建設弘済会 北陸地域づくり研究所までどうぞ.
以前お知らせした論文ですが,北海道大学のHUSCAPにPDFがアップロードされました.ご関心のある方は以下からダウンロードください.
「企業家活動の評価軸:企業家競争の形成と発展をもたらす企業家活動」『経済学研究』北海道大学 第61巻 第1・2号 109−125頁(全17頁)2011年9月.
9/25に埼玉県戸田市市役所前で開催された「上戸田ゆめまつり」において「地域通貨deお店体験隊」が開催されました.
約一ヶ月の準備で仕入れ,利益の計算方法,売り方の工夫,挨拶の仕方などを勉強してきた子どもたちがいよいよ実際に自分たちで企画した商品を販売することになりました.
利用する場合は,受付で戸田オールを購入(1オール=1円)し,オールでお店の商品を購入する事になります.お店はくじ引きをして駄菓子があたる「男力チーム」,わなげやガチャガチャでお菓子があたる「New戸二っ子6チーム」,お菓子の入っている袋をつる「つり太郎チーム」,トランプゲームや的当てビンゴゲームでお菓子があたる「わくわくガールズSHOPチーム」の4チームです.いずれも小学5年生が中心です.
いずれのチームもお菓子を売る工夫をしたり,ユニフォームを用意したりと張り切っていました.
いずれの店も開店2時間ほどで商品が売れ尽くし,9820オールの利益を挙げるチームもありました.最終的には全てのチームの利益を合算して子どもたちで分配することになっているようで,1人1200オールの分配を受けていました.子どもたちに何に使うのと聞いて見ると,「貯めておく!」というのが多かったです.
われわれはこれにあわせて,参加した子どもたちと保護者の方,そして上戸田ゆめまつりへ来場していただいた方々にアンケート調査を行いました.戸田オールに関する認知度や,円といた国民通貨と地域通貨との利用意識の違いなどの調査です.戸田市には商店街で出している「戸田オールカード」というポイントカードがあって,地域通貨戸田オールについての認知度があまり高くないようでした.これらの調査結果については後ほど報告書としてまとめる予定です.
9/17に埼玉県の戸田市で発行している戸田オールを活用した「地域通貨deお店体験隊」の準備会に参加させていただきました.
9/25に戸田市役所前歩行者天国で開催される「第15回かみとだゆめまつり」で小学生たちが戸田オールをつかって仕入れた商品を売るという「地域通貨deお店体験隊」を行うのですが,その準備としてチームの名前や利益の出し方,看板やチラシの作成などを商工会の方を講師として勉強・準備していくのが今回のお店体験隊準備会です.今回は最後の3回目で,看板やチラシの作成,仕入れた商品のチェックや商品作りなどの作業を行いました.
今回参加のチームは小学五年生の男女17名で,計4チームでした.今回1チームが用事で準備会に参加できなかったようです.
最後は挨拶の練習をしました.来週お店体験隊の取材をしてきます.
今月,「企業家活動の評価軸−−企業家競争の形成と発展をもたらす企業家活動−−」というタイトルの論文が『経済学研究』第61巻第1・2号109−125頁から出ました.
内容は,企業家活動を生産的・非生産的というような軸で評価をするのに替えて,機会の創出と消化,制度の進化と強化という二つの軸をもって評価することでより多様な企業家活動の評価が可能になると論じたものです.それに加えて先導的・追随的・寄生的・保守的という四つの類型の企業家活動が企業家競争という競争的秩序をいかに形成し発展させるのかということについてのモデルを示しています.
まだCiNii等には出ていませんが,情報がでましたらリンクを貼りますのでご関心のある方はご覧ください.
9/10-11に大阪府寝屋川市で行っている地域通貨ねやがわ「げんき」と兵庫県丹波市でおこなっている地域通貨「未杜(みと)」を見にいってきました.どちらも10年近く地域通貨を発行しているという点で,地域通貨の成功事例といってよいと思います.ただ,この二つの地域通貨は制度も目的も違い,今回あらためて多様な地域通貨の在り方を実感しました.
さて,NPO法人地域通貨ねやがわで発行している「げんき」ですが,仕組みは商品券タイプで,ボランティアで受け取った地域通貨を商店街でも利用できるというものです.現在の参加状況ですが,中心となるボランティアを行う団体(活動団体)は現在14,ボランティアをしてもらった人や団体(利用会員)の数が75団体+13名の個人,そしてげんきが利用できる商店街,店舗.事務所(貢献会員)が400店舗となっています.ここ最近では,グリーン家電エコポイントの交換対象としてげんき券を発行するということにもなっているようです.日本の地域通貨の中で見ても大規模だということがわかると思いますが,それは639万円相当のげんき券が平成22年度に発行されたということでもわかります.また,地域通貨の啓蒙活動として寝屋川あいの会理事長の三和さんや地域通貨ねやがわの事務局長の二反田さんや石渡さんが精力的に活動しているようです.
「げんき」の特徴を挙げるとすれば,(1)流通地域が都市であること,(2)商品券型の地域通貨であること,そして(3)福祉の担い手づくりが目的となっていることの三点を挙げることができると考えます.(1)は都市の中での流通であり,後ほど見ていく「未杜」とは異なりコミュニティそれ自体の密度は低いかもしれませんし,むしろ商店街が地域コミュニティの中心となっているということが言えます.それは(2)商品券型の地域通貨をとっていることの理由なのかもしれません.商品券型という「形のある」地域通貨を用いていることはボランティア活動のような地域貢献をした証しとなると同時に,その証しを商店街での商品やサービスと交換できるようにすることで商店街にコミュニティの中心があると考えられるからです.そして,それは(3)ボランティア活動の中身にも反映されていると言えます.高齢者への食事提供サービスや和太鼓教室,子育て支援や家事支援など,ニーズはあるが担い手が少ない状況に対して有償ボランティアの担い手を育てていこうとする目的は未杜とはちょっと違うボランティア活動支援の方向性なのかと思います.
そして,抱えている課題も特徴的でした.一つはげんき券の利便性とげんき券の理念とのバランスの問題を話されていました.利便性を挙げれば円に近くなってよいけれども,発行目的が変わってしまうのではないかということでした.この点商店街の方も事務局の側も基本はボランティアをしてげんき券をもらうという方針を変えてはならないという点で一致しているようです.そして,もう一つは運営資金の問題でした.様々な補助・助成金をもらいながら継続しているけれども,長期的に見ればもっと安定的な財源が必要ということでした.大規模でやっている限りこの問題は常にあるようです.
地域通貨「未杜」は兵庫県丹波市にあるNPO法人丹波まちづくりプロジェクト事務局で発行しているLETS型の地域通貨です.年会費2000円,入会時デポジットとして1000円を支払って会員になると通帳カードをもらえて取引ごとに記入していくというLETS方式をとっています.なので,例えば大きくなって乗らなくなった子供用の自転車を新しく子供用の自転車が必要な人に2000未杜で譲ると,自転車をもらった人の通帳には「−2000未杜」,譲った人の通帳には「+2000未杜」が記入されます.場合によっては通帳の残高がマイナスになる場合もありますが,このシステムではそのマイナスは誰かの通帳のプラスになっているので問題有りません.現在会員は140名ほどで,赤井さんを中心に月一回ほどの「井戸端会議」,年四回の季刊紙「未杜新聞」などが行われています.今回訪問時間が少なかったのですが,赤井さんの自宅の事務所に7−8名ほどの方にきていただきお話を伺うことができました.
印象的だったのは,未杜井戸端会議の実施の仕方です.おもしろいのは会員の方が講師になって,子育てや商店街の在り方,外国の教育事情やなどの講演をしたり,お菓子や庭木の剪定教室などを開催していることです.地元の人の持っている能力をコミュニティで活用していくという考え方です.また,これはLETS特有の現象ですが,自分の通帳が赤字になってしまうことを気にかけているようでした.地域の人にいろいろもらったりやってもらっているばかりで通帳が赤字になってしまって,ちょっと気が引けるというようなことでした.これについてどう思うか聞かれたのですが,私は「赤字がでていることはそれだけコミュニティのメンバーができるサービスや財があるということなので,コミュニティが豊かな証拠だ」というような答えをしました.ただ未杜にはプレゼント未杜というのがあって,黒字を持っている人が赤字の人に未杜をあげることができるようです.
さて,未杜の特徴として(1)農村,(2)LETS,(3)交流の場づくりという三つが挙げられます.(2)については既に紹介したのでここでは省略します.(1)についていえば,大都市とは異なり集落の結束が強い農村的な特徴をこの地域が持っているということです.これは(3)にもかかわっていますが,今回参加された会員の方が「昔からのムラのルールに従わせるようなやりかたで地域に参加させるのではなく,未杜のようなオープンや方法で地域に参加させるのが未杜の特徴だ」というようなことを言っていました.これまでずっとこの地域に住んでいる人,Uターンで戻ってきた人,都市から農村へとIターンした人など多様な人々の交流を可能とする場をつくっていくものとして未杜があるのだと言うことでした.この点山?茂・赤井俊子「地域通貨が地方都市農村集落の地域コミュニティ再生に果たしうる役割について−地域通貨「未杜」を事例として−」『創造都市研究(大阪市大)』第6巻第2号51−70頁2010年12月を見ると,主に未杜を使っている「ハブ会員」は地域とのつながりの強い人よりも弱い人であったとの研究成果にも現れています.町内会や自治会や血縁などとは異なるつながりや交流の場を未杜が創っているということです.地域通貨がつくるコミュニティってこれなんだなと今回感じました.