上越教育大学での地域通貨ゲームver.3の実施

11/27と12/4に上越教育大学の現代社会論受講者を中心に地域通貨ゲームを実施しました。

今回のゲームは9月にJAISTで行ったものと同じゲームですが,11/27は紙幣型,12/4はLETS型というように,二種類の地域通貨を用いました。

今回のバージョンでは,(1)地域外との円の流出入(地域外からの収入−地域外での購入支出),(2)地域の内外両方で販売しているアイテム(地域内での販売価格>地域外での販売価格)の選択,(3)ボランティアの実行率(ボランティアを一回提供する毎に次のターンの地域外からの収入が5%減少)という3点が地域通貨導入前後でどのように変化をするのかについて見るのと同時に,地域通貨ゲーム前後でのアンケート結果を検討することで,地域通貨ゲームでの取引行動が参加者の意識にどのような影響を与えるのかを検討するという目的を置いています。

詳細な結果はこれからですが,取引行動の結果を見てみると,地域通貨導入後は(1)全体的に地域外からの収入−地域外での購入支出が黒字に転じていたり,(2)地域内部でのアイテム選択割合が増えたり,(3)ボランティアを断る割合が減ったりという結果が見えてきました。12/11に行ったデブリーフィングでは,二回のゲーム結果を皆で見ながら行動を振り返りましたが,銀行からの借金が膨らんでくると,地域通貨よりも円でアイテムを販売するようになったり,ボランティアを断ったりするなどいろいろ考えていることも見えてきました。

今回同じ設定で紙幣型とLETS型の二つのタイプの地域通貨を用いてゲームをしましたが,学生たちはLETS型の方がよいという回答が多かったです。LETSのマイナス残高については使っているときは不安だったという参加者もいましたが,仕組みを説明して理解してもらえたようです。ただその一方で,紙幣型では円への換金ができるように設定していたので,換金可能な紙幣型が良いという意見もありました。さらにいえば,自分ならば地域通貨を使わない。円一種類が良いという意見もありました。地域通貨ゲームをしたからといって地域通貨がよいものであるとすりこむことはできないようです(もちろん地域通貨が良いものであるとすりこむことはゲームの目的ではありません)。

これから詳細な結果の考察をしていきますので,その成果が上がったらまたここで報告させてもらいます。

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ゲームで社会科授業を活性化しませんか?

10/31から以下の日程で,上越教育大学の志村先生,小島先生と共にゲームを使った社会科授業の活性化についてセミナーを開催します。

詳細は以下の通りとなっています。社会科の授業などでゲームを活用したい先生方でお時間のある方はぜひ参加ください。

参加は,以下のホームページから登録できます。

ちなみに,私は11/28担当で,地域通貨ゲームを題材に,ゲーミングの作製について話す予定です。

 

テーマ:ゲームで社会科授業を活性化しませんか?
開催日程
第1回 10月 31日(水) 18時30分?20時00分
 志村喬(社会科教育領域)担当:社会科教育におけるゲーム教材の発生・展開につ
いて,具体的で易しいゲーム体験を交えて解説します。
第2回 11月 14日(水) 18時30分?20時00分
 小島伸行(法・宗教社会学領域)
第3回 11月 28日(水) 18時30分?20時00分
 吉田昌幸(経済学領域)
場所:
上越教育大学学校教育実践研究センター  セミナー室1

*詳細は下記HPをご覧下さい。
http://www.educ.juen.ac.jp/seminar/public/detail?seminarCd=95

地域通貨ゲーム参加者募集!

11/27と12/4に上越教育大学において地域通貨ゲームを行います。11/27は紙幣型,12/4はLETS型で行う予定でいます。

つきましては,関心のある方はぜひ参加ください。今のところ15名ほど募集しています。

時間はそれぞれ12:30から14:30です。

参加希望者は吉田(yoshida@juen.ac.jp)まで連絡ください。

 

地域通貨ゲームver.3を実施しました

9/29に北陸先端科学技術大学院大学で開催されたJAISTフェスティバルにおいて,地元中学生を対象とした「一日大学院」が開催され,北陸先端科学技術大学院大学の橋本敬先生と小林重人先生,そして橋本研究室のメンバーの方々と一緒に地域通貨ゲームver.3を実施しました。

 

さて,実施本番は事前に考えていた以上にスムーズに進み,最初はおとなしかった生徒たちも次第に元気にそして楽しそうにゲームをしてくれて安心しました。

今回のゲームでは,ボランティアをすることによって次のターンの収入が5%減るという仕組みをおいたり,ターン毎でそれぞれの販売する商品でどれくらい地域通貨を受け取るかを決めるルールをおいたりして,地域通貨導入後の行動の変化を見る仕掛けをおきました。

 

地域通貨ゲームの結果の一部を公開します。

結果の詳細については,これから分析していきますが,今回対象が中学一年生とあっていろいろと仕組みをシンプルにしなければならず大変でした。しかし,その過程で地域通貨について改めて考えることができました。今回このような場を設けていただいた橋本先生と小林先生,そしていろいろな意見を頂いた橋本研のメンバーに感謝です。

地域通貨ゲーム論文ダウンロードできるようになりました

先日出版された論文「学習ツールとしての地域通貨ゲームの設計とその実施結果の考察」『経済学研究(北海道大学)』第62巻第1号69−87頁ですが,

以下のアドレス

http://hdl.handle.net/2115/49698

からダウンロードできるようになりました。

ご関心のある方はどうぞ。

 

 

学習ツールとしての地域通貨ゲームの設計とその実施結果の考察

以前進化経済学会で報告した内容の一部を「学習ツールとしての地域通貨ゲームの設計とその実施結果の考察」『経済学研究(北海道大学)』第62巻第1号69−87頁としてまとめました。

まだ電子版はアップされていないので,アップされ次第こちらにURLを掲載しようと思います。

8/6公開ワークショップのお知らせ

8月6日(月)の13時から北海道大学百年記念館大会議室において,研究分担者として参加している科学研究費補助金基盤研究(B)「制度生態系アプローチによる経済政策論の研究:進化主義的制度設計と地域ドック」(研究代表者:西部 忠)と北海道大学大学院経済学研究科地域経済経営ネットワーク研究センターの共催で公開ワークショップ「制度生態系アプローチによる経済政策論の展開」が開催されます。

内容としては,制度生態系と進化主義的制度設計に関する理論と事例の研究,そしてコミュニティ・ドックについての方法論と事例研究となっています。

ご関心のある方はぜひおいでください。

詳しくはこちらから。参考文献などもダウンロードできます。

7/14にトークイベントが開催されます

7/14の13時から町家交流館高田小町にて,大橋秀三さんによるトークイベント「雁木に住まうつばめのように」が開催されます。

早稲田大学の院生の谷君やゼミ生の高橋君たちが関わっているとのことでチラシをもらいましたのでアップします。

近々フリーペーパーも刊行される予定のようです。