橋本努(北海道大学)編『現代の経済思想』勁草書房が10月末に出版されます.
私は『企業家精神−企業家になるとはどういうことか』を担当させていただきました.
出版にを記念して11月中にジュンク堂書店池袋本店,福岡店,大阪本店でブックフェアが開催される予定です.
ご関心の方は是非.
以下,『現代の経済思想』目次です.
1 生きるために
1-1 快楽─―快楽が多ければよい人生か 米村幸太郎
(キーワード:福利、個人的価値、幸福度)
1-2 欲望─―なにに/なぜ人間はこれほど駆り立てられるのか 黒石晋
(キーワード:なにか未知なるもの、価値、事後選択)
◆コラム 視野狭窄の効用
1-3 幸福─―幸福度研究は経済学に革命をもたらすか 本郷亮
(キーワード:主観的幸福、幸福度、功利主義)
◆コラム 信頼ホルモン「オキシトシン」
1-4 贈与─―私たちはなぜ贈り合うのか 若森みどり
(キーワード:負債、社会関係、循環)
◆コラム 災害復興
1-5 労働─―理想の仕事とはなにか 橋本努
(キーワード:拘り、本来性、ルサンチマン)
◆コラム 地理学的批判理論
2 善い社会のために
2-1 価値─―価値は価格に反映されているのか 藤田菜々子
(キーワード:倫理、バランス、制度)
◆コラム 繁栄の法則
2-2 平等─―なぜ平等は基底的な価値といえるのか 井上彰
(キーワード:範囲性質、非個人的価値、反不平等主義、宇宙的価値)
2-3 ケア─―両立支援は誰のためか 山根純佳
(キーワード:平等と差異、ケアの社会的評価、ワーク・ライフ・バランス)
2-4 所有─―所有は豊かさをもたらすか 沖公祐
(キーワード:占有、請求権、コモン・ストック)
2-5 資本主義─―なぜ安定と危機の交替を繰り返すのか 鍋島直樹
(キーワード:社会的蓄積構造、戦後コーポレート・システム、新自由主義)
◆コラム 「グローバリゼーション」のトリレンマ
3 経済の倫理
3-1 自然─―経済にとって自然とはなにか 桑田学
(キーワード:自然の贈与、労働、依存)
◆コラム 何もしない
3-2 消費─―消費者は環境に責任があるのか 根本志保子
(キーワード:政治的責任、規範、美徳)
◆コラム 脱成長
3-3 交換─―赤ちゃん市場の問題とはなにか 山本理奈
(キーワード:商品化、聖なるもの、貨幣)
◆コラム 例外としての新自由主義
3-4 文化と経済─―市場は芸術の開花を阻害するか 鳥澤円
(キーワード:文化政策、大衆文化、古典的自由主義)
◆コラム ショック・ドクトリン
3-5 芸術の売買─―美術市場に道徳はあるのか 持元江津子
(キーワード:美術市場モラル、一次/二次市場、アートディーラー)
◆コラム コモンウェルス
4 経済の生態
4-1 市場─―市場が社会秩序であるとはどういうことか 瀧川裕貴
(キーワード:経済社会学、埋め込み、収穫逓増)
4-2 慣習─―生活にどう役立つのか 吉野裕介
(キーワード:明確化アプローチ、適応的慣習、慣習への順応)
◆コラム 裏切りの効用
4-3 嗜癖─―アディクションは非合理な行為なのか 太子堂正称
(キーワード:嗜癖と合理性、非自律的選好、信念依存性、プリコミットメント)
4-4 心理─―損得勘定は感情抜きなのか 松井名津
(キーワード:感情、理性、意思決定)
◆コラム プロスペクト理論
4-5企業組織―─なぜ企業は存在するのか 三上真寛
(キーワード:取引費用、ケイパビリティ、規模)
◆コラム コミットメント契約
4-6 企業家精神─―企業家になるとはどういうことか 吉田昌幸
(キーワード:企業家学習、市場理論、知識の成長理論)
◆コラム ソーシャル・ビジネス
4-7 経済神学─―経済学者の社会的機能とはなにか 佐藤方宣
(キーワード:宗教としての経済学、市場のパラドクス、効率性の福音)