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4th. International Conference on Social and Complementary Currencies

5/10から5/14までスペインのバルセロナにあるOpen University of Cataloniaが主催した4th. International Conference on Social and Complementary Currenciesに参加してきました.

今回は日本の地域通貨の2000年代以降の動向を数量的に分析したものになっています.今後この成果をもとに質的調査を進めていく予定です.

この国際会議は学術会議と実践者によるワークショップなどの二部構成で毎回行われています.また地域通貨による市も開催されています.次回は2年後2019年に日本で開催されます.国内外の地域通貨研究者や実践者の多くに参加していただけたらと思っています.

Historical transition of community currencies in Japan (Shigeto KOBAYASHI, Yoshihisa MIYAZAKI, Masayuki YOSHIDA), 4th. International Conference on Social and Complementary Currencies, Open University of Catalonia, Barcelona, Spain (May 10th,2017)

経済社会学会参加

9/18-19に日本大学商学部にて経済社会学会 第46会全国大会が開催されました。

その中で,宮﨑義久(北海道大学 博士後期課程)さんの「大恐慌期米国のスクリップ再考:地域通貨の経済社会的な機能を問う」という報告を聞きました。内容としては,「現代の地域通貨にとってベースラインとなる大恐慌期のスクリップ」を再考することで,「地域通貨の本質を理解し,現代の地域通貨の実践的な取り組みの成果を問い直す」ことを目的とした報告でした。

私が興味を持ったのは,スクリップという「銀行券や政府紙幣とは異なる多種多様な債務証書」には,フィッシャーのスタンプ・スクリップだけではなく,将来支払われるであろ税収を見込んで発行される税収見込み証書など複数の形態があったという指摘です。多様な形態で発行されたスクリップの背後についてはあまり詳細に報告されていませんでしたが,現在の地域通貨の多様性と併せて考えてみるとおもしろいかもしれません。

またこれは感想ですが,不況期において地域通貨の形態の進化や活用の活性化がもたらされるという歴史的傾向は,地域通貨がシステム・イノベーションの一種だと考えれば,シュンペーターが観察したイノベーションと景気循環との関係性を思わせます。地域通貨の発行主体はこのようなイノベーションの担い手という意味で企業家だと言えるかもしれません。だとすれば,労働貨幣・自由貨幣・スクリップなどといった地域通貨の歴史的変遷・多様化という歴史は,地域通貨という発明の実用化を担う多くの企業家による試行錯誤の過程を示すものと言えるでしょう。

宮﨑さんの報告後,コメンテーターの中里裕美(明治大学)さん(切れ味鋭いコメントでした)や,平本毅(京都大学学術情報メディアセンター技術補佐員等)さん,そして栗田健一(北海道大学 専門研究員)さんなど,地域通貨の専門家の方々と意見交換をすることができました。長岡市川口地区で行っているプロジェクトなどについても貴重なアドバイスをもらいました。非常に参考になりました。