カテゴリー別アーカイブ: 学会

ISAGA2014

2014年7月7日から11日までオーストリアのドルンビルンで開催されたISAGA (the International Simulation and Gaming Association)2014に参加してきました.

学会ではJAISTの小林重人氏との共同研究を, Community Currency Game: a tool for introducing the concept of community currenciesというタイトルでポスター報告しました.内容は昨年と今年に山形県飯豊町と石川県津幡町で行った地域通貨ゲームの紹介と,地域通貨導入デザインにおけるゲーミングシミュレーション利用法についてです.多くの方からコメントやアドバイスを頂き大変勉強になりました.

プロシーディングに掲載されたペーパーはこちらから,ポスターはこちらからダウンロードできます.ご関心のある方はどうぞ.

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上越教育大学社会科教育学会のお知らせ

10/15に13:10から上越教育大学学校教育実践研究センター(上越市西城町1−7−2)において第26回上越教育大学社会科教育学会が開催されます.

本年度は研究報告に加えて現職派遣で本学大学院で学んだ修了生の方々を招いたシンポジウムを行う予定です.

プログラムはこちらからダウンロードください.

 

経済学史学会 第5回若手研究者育成プログラム

10/2-3に,晴海グランドホテルにて,経済学史学会の第5回若手研究者育成プログラムに参加してきました。

昨年度は経済学史や経済学入門の授業のコツなどを中心に行われ非常に助かりましたが,本年度は若手研究者の研究ネットワークを形成するという目的の下,(1)松山大学の松井名津先生によるレクチャー「科研費による共同研究の促進」,(2)大月短期大学の伊藤誠一郎先生によるレクチャー「manuscriptを用いた研究スタイル」という2つのレクチャーと,(3)ワークショップ「共同プロジェクトの構想・発表」が行われました。

(1)については,松井先生が科研費をとる上でのポイントやとった後の苦労など具体的にレクチャーしてもらいました。個人的には,コメンテーターの古谷豊先生(東北大学)をはじめとする様々な先生の科研費に対する考え方が聞けてよかったです。(2)のレクチャーはmanuscriptを使った研究のコツ以前に,どのような研究あるいは研究者になりたいのか(理論史家?Historian?)など,研究をしていく上での覚悟を問うものだったと思います。

(3)のワークショップですが,これは参加メンバーをシャッフルしたうえでどのような共同プロジェクトを構想するかということでした。私が入ったのは,ロバート・ウォーレスを研究されている中野さんとスミス以降の貧困問題と19世紀前半の政治経済学を研究されている新井さん,そしてJ.S.ミルの社会経済思想を研究されている松井名津先生のグループでした。私の研究テーマが20世紀の企業家論ということだったので,私だけなかなかフィットしない感じでしたが,松井先生がうまくコーディネートしてくれて,「『企業家』とは何であり,何であったのか–経済学者と時代の格闘–」という共同研究プロジェクトを構想することができました。17世紀以降の「企業家」に対する経済学者の評価の変遷を見ていきながら,その時々の時代背景や経済学の課題をあぶり出すということを目的とした共同研究です。

共同プロジェクトは全部で5チームあって,他には「利己心の系譜学」「自由・宗教・貧困–『狂信』への対抗原理を求めて–」「経済思想における消費のヴィジョン」「危機の経済思想と生活–『人間の底力』を学ぶ–」という共同研究を構想されていました。一位のチームはエクスカーションで行く築地の寿司がただになるというご褒美付きでした。ちなみに,我々のチームは4位でした。私のプレゼンの仕方が悪かったかもしれません。中野さん,新井さんごめんなさい。

共同研究プロジェクトの構想は思いの外勉強になりました。いつもは分野の異なる研究者といかにして共同研究を構想していくかという作業は,自分の研究の強いところと弱いところを照らし出してくれたからです。また,他の方々との会話を通じて様々な情報も手に入りました。企画された若田部昌澄先生(早稲田大学),小峰敦先生(龍谷大学),江頭先生(小樽商科大学),久保先生(嘉悦大学)に感謝したいと思います。

経済社会学会参加

9/18-19に日本大学商学部にて経済社会学会 第46会全国大会が開催されました。

その中で,宮﨑義久(北海道大学 博士後期課程)さんの「大恐慌期米国のスクリップ再考:地域通貨の経済社会的な機能を問う」という報告を聞きました。内容としては,「現代の地域通貨にとってベースラインとなる大恐慌期のスクリップ」を再考することで,「地域通貨の本質を理解し,現代の地域通貨の実践的な取り組みの成果を問い直す」ことを目的とした報告でした。

私が興味を持ったのは,スクリップという「銀行券や政府紙幣とは異なる多種多様な債務証書」には,フィッシャーのスタンプ・スクリップだけではなく,将来支払われるであろ税収を見込んで発行される税収見込み証書など複数の形態があったという指摘です。多様な形態で発行されたスクリップの背後についてはあまり詳細に報告されていませんでしたが,現在の地域通貨の多様性と併せて考えてみるとおもしろいかもしれません。

またこれは感想ですが,不況期において地域通貨の形態の進化や活用の活性化がもたらされるという歴史的傾向は,地域通貨がシステム・イノベーションの一種だと考えれば,シュンペーターが観察したイノベーションと景気循環との関係性を思わせます。地域通貨の発行主体はこのようなイノベーションの担い手という意味で企業家だと言えるかもしれません。だとすれば,労働貨幣・自由貨幣・スクリップなどといった地域通貨の歴史的変遷・多様化という歴史は,地域通貨という発明の実用化を担う多くの企業家による試行錯誤の過程を示すものと言えるでしょう。

宮﨑さんの報告後,コメンテーターの中里裕美(明治大学)さん(切れ味鋭いコメントでした)や,平本毅(京都大学学術情報メディアセンター技術補佐員等)さん,そして栗田健一(北海道大学 専門研究員)さんなど,地域通貨の専門家の方々と意見交換をすることができました。長岡市川口地区で行っているプロジェクトなどについても貴重なアドバイスをもらいました。非常に参考になりました。