書籍刊行のお知らせ

昨年度まで行ってきた,科学研究費補助金 基盤研究(B)「教科教育と教科専門を架橋する社会科内容構成に関する基礎的研究(研究代表者:松田慎也 上越教育大学大学院学校教育研究科,課題番号:26285199)」の成果として,風間書房から書籍が刊行されました.

タイトルは『社会科教科内容構成学の探求』です.「主として教科教育の側から研究されてきた「社会科」の教科内容を、教科専門の研究者たちが教科教育の専門家たちと対話的に協働しつつ、それぞれの専門性に立脚して、いわばメタ次元で分析・総合し、教科専門と教科教育とを架橋することのできる構成原理を、学術的基盤のうえに体系的に再構築しようという方向性を打ち出している点」が本書の特徴となります.

目次は,以下の通りで,私は第4章第2節「教員養成における経済・経済学教育――その目的・内容・方法に関する検討――」の中で,本学での経済・経済学教育について紹介を行いながら,ゲーミングを活用する可能性について考察しています.

はじめに
第1章 社会科の教科内容の体系的構成にむけて
第2章 空間系の社会科――地理的領域の教科内容構成――
第1節 教員養成系大学・学部におけるGIS教育の分析――教科内容学の視点を用いて――
第2節 防災教育における地理教育の役割
第3節 地域的観点を育成する授業案
第3章 時間系の社会科――歴史的領域の教科内容構成――
第1節 寛延4(1751)年(宝暦元年)高田地震を素材とした授業内容案――日本史学からのアプローチ――
第2節 「社会科的思考力」と歴史学研究者──「私」の研究体験を教科内容構成学的に記述する――
第3節 「世界史」の教科内容の構成の視座
第4章 価値次元の社会科――公民諸領域の教科内容構成――
第1節 童話「泣いた赤おに」から宗教を読み解く
第2節 教員養成における経済・経済学教育――その目的・内容・方法に関する検討――
第3節 憲法学と必修科目「日本国憲法」――教員養成における教科専門の役割――
第5章 社会科教育学と教科内容
第1節 イギリス教育界における「知識への転回」と教員養成――地理教育を中心に――
第2節 国定日本史教科書の中の外国史が担った役割――歴史教育における自国史と世界史を考える前提として――
第3節 社会科教育における価値教育の規範的研究──公民教育研究から──
あとがき

ご関心のある方に本書をおわけすることができますのでご連絡ください.