11/25と12/3に長岡市西川口987番地の川口農村総合振興センターにて「『川口だけで使えるお金』で地域づくりを考える集い」を行いました。11/25は地域通貨についてのレクチャーを行いましたが,12/3は「地域通貨でできることを考えよう!」ということで,地域通貨ゲームを行いました。
今回行った地域通貨ゲームは,15の主体(会社員,主婦・主夫,米農家,野菜農家,医者,温泉,旅行代理店,酒造工場,せんべい工場,製麺工場,商店,ラーメン屋,お弁当屋,地域通貨事務局,銀行)を置き,参加者がその中のどれか一つの役割を担ってもらうというロールプレイングゲームです。このゲームは,地域通貨ゲゼル研究会のHPに掲載されているロールプレイングゲームを参考にして,北海道大学大学院経済学研究科専門研究員の栗田健一さんと北海道大学大学院経済学研究科博士後期課程の宮?義久さんに協力していただきながら作成したものです。
各プレイヤーには役割表,取引表,お金(役割によって配布される金額は異なる)が配布されています。役割表には(1)ゲームを通じて達成してもらうクリア目標(例えば最終残高が20000円以上になる,困っている人を助けてあげるなど),(2)国民通貨で売れるもの(労働力,米,ラーメン,健康診断など),(3)地域通貨で提供できるもの(労働力,マッサージ,雪下ろしなど),(4)購入しなければならないもの(労働力2時間,お弁当,国内旅行に2回行くなど),(5)困っていること(子どもの世話をしてほしい,おいしいご飯の炊き方を教えてほしいなど)が記入されています。各プレイヤーは役割表に従って行動することになります。
ゲームは各プレイヤーが順番に売れるものを提供していくというターン制で行いました。例えば,米農家の番にくれば労働力と米を売るという訳です。工場などは労働力を雇いに,商店やお弁当屋などは米を仕入れに米農家のところへ行き購入します。このようにして銀行と地域通貨事務局を除く13主体が順番に売っていきました。
お金が足りなければ,銀行から借りることができます。借りる金額は制限なしですが,借りた翌ターンの銀行の番が来た時には利息10%をつけて返済しなければなりません。もし返せない場合は借り換え返済をしてもらいました。
最初の2ターンは地域通貨なしで取引を行い,第3ターン目の最初に地域通貨事務局に参加してもらいました。地域通貨事務局は(1)ボランティアイベントの開催と(2)地域通貨の購入と換金を行う役割です。ボランティアイベントに参加してもらった主体にはお礼として1000k(1k=1円相当)の地域通貨が支払われます。また,地域通貨を購入する際には20%のプレミアをつけました。500円で600kの地域通貨が購入できるというわけです。その一方で,一部の主体(工場や商店など)は地域通貨を換金できます。その際には20パーセントの換金手数料をつけました。
ゲームは全部で5ターン行いました。その成果は次のようになりました。
また,最後にそれぞれの役割から感想も述べてもらいました。
地域通貨ゲームは地域通貨の仕組みを知るということだけではなく,自分のまちでは地域通貨をどのような形で使えるだろうかということを考えるきっかけにもなります。私にとっても発見するところが大きく,非常に有意義な2時間でした。